たまにはこんな景色の前で、立ち止まってみるのもありかな


by jeepway
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台風がくると思い出す

台風が、近づいているらしい。

学生時代、この時期に沖縄に旅行したことがある
この時期といえばあの時期、そう、台風シーズンである。

それまで、京都よりも西に行ったことがなかった私は、九州・沖縄の台風事情など考えたこともなかった。無論、私の住む土地にも台風はくる。それより、頻度は多いらしい、被害もたまに聞く、という程度であった(ゴメンナサイ)。

学生、といえば(だいたいにおいて)金はないが、時間はある。飛行機は高いだろう、と初めから却下して、思い付いたのはフェリーである。当時、帰省していた私の出発点は静岡。東京・晴海へ戻るにはいささか抵抗があったため、博多まで、寝台列車で行き、そこからフェリーで那覇を目指すことにした。

そこで発覚したことは、寝台列車は、意外とコストがかかるということだ。しかし、一度決めたら後には引かない、そんな私の性質がこんな所で発揮される。

決して飛行機にも乗らず、決して晴海にはいかないのだ。
「絶対、電車で行ってやる・・・」

果たして高価な寝台切符を片手に、沖縄行きが決行された。

初めから、兆候はあった。
まずは、寝台列車の出発が大幅に遅れた。天候のことは露ほどの心配もせず、自分の青写真をクッキリ描いていた私には、少々ショックだった。しかし、時間はある。やっと到着したそれで、いざ西へ向かう。
しかし、ここにも落とし穴。京都あたりから先に進まないのである。どうやら、台風の影響で、運行が止まったらしい。焦ったところでどうにもならない。どうにかなるまで、私は眠り続けた。ようやく目処が立ち始めた頃、新幹線への代替輸送の案内が放送された。しかし、寝台で行くことを堅く誓った私は、相変わらず、眠り続けた。

やっと到着した博多駅。フェリーの時間にはまだまだ時間がある。せっかく博多に来たのなら、食わなきゃそんそん、博多ラーメン。そして、私のカンはことごとく外れる。繁華街を目指して歩いたつもりが、平日昼間のオフィス街…再度、駅に戻り、反対口に出てみれば、人の賑わう繁華街。どうしていつもハズれるのか、不思議でしょうがない。適当に、博多ラーメンの暖簾をくぐり、お腹を満たしていざ、博多港へ向かった(ラーメンの味については好みの問題なのでノーコメント)

初めてのフェリー。観光フェリーとは一味も二味も違う期待を胸に、切符を購入すべく、案内所へと向かった。丁度、釜山からのフェリーが到着していて、旅行客がいるのはよいが、なんか、こう、寂しい。帰国の人々が去った後、理由が分かった。

那覇行きの客が、全くと言っていいほど、いないのだ!!

窓口に問い合わせると、台風のため、いとの今日の便は出港が危ういということ。そのため(かどうかははっきりしないが)、フェリーに乗ると思われる人々は、私を含めて10名たらずであった…

「台風って、そんなに凄いの…?」
無知は困る(しみじみ)。散々、電車が遅れたではないか。(やれやれ)

待つこと数十分。定刻通りの到着は無理だが、台風を避けながら那覇へ向かうとの決定が下ったため、私達はいざ船内へ。よかったよかった、いくら時間があるとはいえ、これから博多で宿探しはきつかった。それだったら、時間はかかろうとも、フェリーに乗ってしまった方が楽である(台風への不安はより、宿探しの不安のほうが大きい)

船内は、思った以上に広かった。観光フェリーしか知らなかった私には、驚きである。こんな時期に、台風が来ようとフェリーに乗る愚か者は、学生ばかりが10名たらず。しかも女子(一応)は私一人。3段ベット2台の6名2等船室と、共同シャワーが、私一人のものだった(よかった、一等にしなくて…)。

「揺れるだろうな…」

台風の海に出たことはないけれど、なんとなく予測はできたので、酔い止めを飲んでおいた。すると不思議なことにすぐに眠くなった。他の客と談笑する間もなく、私はまた、深い眠りに落ちた…(寝過ぎだよ)。

途中、何度か目が覚めて外を見ると、船室の窓に波が当たっている。どうやらかなり、揺れているようだ。だがしかし、ケミカルな力を借りている私にはどうでもよいことだった。つまりはまたすぐに、眠りに落ちたのであった…(まだ寝るのか?)。
同乗者によると、なかなかよく揺れたらしい。甲板に出るのなんてもってのほか、皆様不安がよぎったらしいが、眠りつづけた私は、快適な船旅を過ごした。

寝台列車もフェリーも、まさに眠り続けたこの私。やっとのことで沖縄の土地に足を着いたのは、自宅を出発してから、実に3日目の夜だった。憧れの那覇港は、暗闇の中だった上、こんな時間(9:00PM)についてしまった私達を哀れに思ったのか、今晩はフェリーに泊まってよいと言ってくれた(琉球海運さん、ありがとう)。

乗り合わせた人々と、夕飯を食べに陸へ上がる。その途中、コカ○ーラ社の自動販売機には噂の商品があった。

ゴーヤジュース。

興味半分で、1本買ってみた。

「…まずい…」

そこにいた全員の一致した意見である。初めて味わう味だった。(飲んだ事はないが)青汁の衝撃に匹敵しただろう。食事に入った居酒屋で、私はゴーヤチャンプルーに殆ど手を付けることはできなかった。

それ以降、私はゴーヤが食べられない…

翌日の、良く晴れた空と、那覇港のエメラルドグリーンの海は、沖縄のイメージそのものだった。台風を乗り越えてこの地にやってきたことはすっかり忘れて、船員さんたちの厚意にただただ感謝した。
そして、船員さんたちに別れを告げ、やっとのことで沖縄行脚を始めた。

…台風の季節になる度、私はこのことを思い出す。
果たして台風の威力とは、どんなものだろうか?
身をもって体験した割には、身にしみていない。

今年も台風の季節だ。
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by jeepway | 2004-09-07 00:00 | 旅行